
電着塗装について
電着塗装とは?
電着塗装は、「Electrodeposition coating」や「Elecrocoating」などと呼ばれる、電気化学反応を利用した塗装法です。被塗物を水溶性塗料中に漬浸して、被塗物を陰極(-)、塗料タンクを陽極(+)として(または別に用意した陰極板を塗料中に入れる)、この間に直流電流を流すことにより電気的な力によって塗料の微粒子を被塗物に引きつけ塗膜を形成する方法です。
この電着塗装によれば塗料は被塗物の狭い隙間まで入って行き、全表面に均一な塗膜で塗装され、通電後塗料から引き上げた時、水に不溶でかつ含水率の少ない塗膜が得られ、経済的で安全で環境にやさしい塗装を行うことができます。
一般的な電着塗装の方法として、カチオン電着塗装があります。



電着塗装概要
塗装の付きを良くするために、電着塗装では前処理(表面処理)が欠かせません。主に、表面洗浄と皮膜形成を行います。
脱脂
水洗
表面調整
化成処理(リン酸亜鉛処理)※1
水洗
純水洗
ミスト処理※2
※1…化成処理とは、被塗物表面にリン酸塩皮膜を生成させる処理で、塗装の下地、潤滑性の向上のために用いられています。耐食性、密着性の向上が図れるため、塗装をする際は、この処理をすることが常識となっています。
※2…被塗物の乾き防止のために、純水等をミスト状にして吹き付けておく処理のことです。「乾くことで空気に触れ、酸化する」といった事態を防ぐことを目的にして、必要な箇所で行います。
1.前処理工程
電着塗装そのものは、この段階で行います。
電着
純水洗
2.電着工程
電着だけでは、塗装が不安定な状態なので、160~190℃程度の温度で、焼成させます。
焼付乾燥
3.焼付乾燥工程
カチオン電着塗装とは?
被塗物を陰極(マイナス)、電極を陽極(プラス)として通電する方式で、密着性、強固な膜厚、高い防食性などの利点があります。
カチオン電着塗装が選ばれる理由とは?
耐食性がよく、また耐薬品性にも優れたカチオン電着塗装が、自動車用下塗り塗装の主流となっています。
カチオン電着塗装は、多くの要望に応えることが出来たため、現在、広く利用されています。